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瑞穂
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女性
自己紹介:
4年間巫女として奉仕していましたが、今は普通の仕事しています。
巫女の実情について色々書いていきますが、現実を知って幻滅したくない方は読まないようにして下さい。
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神職の資格を取ったものの、神職として奉仕させてくれる神社がなく、かろうじて巫女でなら雇ってくれる神社を見つけ、そこで4年間奉仕ししていました。 今は普通の仕事をしていますが、当時を振り返り注目度が高い?巫女の実情を嘘偽りなくお話します。
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 この話は私の中ではかなり怖い話となっています。恐怖話としてどこかに投稿したいくらいでした。誰かに聞いて欲しいけど友達にこんな話は出来ないなあっていう内容なのですが、ここでなら書けそうです。

 私が入社して1年目の秋。入社前からいた巫女さん達が微妙な人間関係だったのです。1人だけ浮いていたというか、あからさまではないものの仲間はずれのような扱いだったのがC先輩でした。かつてどういう経緯があったのかは分かりませんが、耳に入った評判は

「神主さんの前ではいい子ぶったり、矢鱈ヤル気見せるんだけど、巫女相手だと適当にしか仕事しない」

「仕事が遅くてしょうがないし、やりたい仕事とそうでない仕事を選ぶ」

等良くない話ばかり。
 私が見る限りそういう風にも見えなかったのですが、他の巫女さんと良い関係を気付けていないせいか、出来ない仕事が結構多かったです。聞きに行っても

「ごめん、分からないから先輩に聞いてくれる?」

という事ばかり。一応新人教育係だった先輩なのですが、中級以上の仕事はまともに教えられない状態でした。教えて貰えなかったし、聞きに行く勇気もなかったのでしょう。で、私が聞きに行った後に、

「どうだった? どうやるの? どこにあるの?」

って聞きに来る始末。
 とうとう先輩達にも「1年目の後輩に教わるやつがいるか!」と思われていたようです。自分で聞きに来いよ、と。
 更に細かい資料を作るのが好きらしく、ある日

「今日からその日にやった仕事を書き出してもらおうと思うの。帰りにこれを提出して下さい」

と用紙を渡され(自分で作ったらしい)たのですが、まあ普通の日はいいとして繁忙期にまでこれを書けと言うのです。
 七五三の忙しい時期、18時過ぎまで殆ど休憩もなく働いています。なのに。17時頃に

「瑞穂さん、今日の仕事内容は書けました?」

とか言ってくる………。悪い人じゃないけどちょ~っとズレてる人でした。で、無理矢理「今書いて下さい」とか言われ、大急ぎで書いている所に他の先輩が通りかかり、

「瑞穂さん、何やってるの?」

「いや、C先輩に言われて今日の仕事内容を………」

「はぁ? そんなヒマあるわけねーだろー!? 何考えてんだよもおぉぉぉ、やることが他にもあるっちゅーねん! 瑞穂、それ書かなくていいから! 他の事やって!」

 となりました。他の先輩に文句を言われ、しぶしぶC先輩は繁忙期の土日は書かずに翌日以降提出ということになったのですが、繁忙期も本格化してくると平日でもかなり忙しい。で、最終的には「そんなのいらんだろ」と廃止になりました。

 そんなC先輩の身に恐怖の出来事が降りかかったのは、秋の新嘗祭の日でした。大祭ということもあり来賓の方も多く、接待の用意も細々した物の準備等非常に忙しいものでした。
 数日前から用意するものは用意し始めるのですが、接待準備担当になったC先輩の段取りは、決して良い物ではありませんでした。記念品担当だった私がチラチラ覗いていても、これって当日大丈夫なのかな?と不安になるくらいでした。
 1年目の私に不安を与えるくらいですから、勿論当日スムーズに行く訳もなく、途中で小皿が足りなくなり課長が急いで取りに行ったり、オードブルの準備に手間取り急遽他の先輩がやったり等色々ありました。

 そして、恐怖の魔女裁判は仕事が終った後に開廷しました。
 
 18時頃、更衣室でみんなが疲れた顔して着替える。
 ああ、今日はさっさと帰って寝よう、などと考えてパシパシ着替えていると、1番早く終ったのがC先輩。さっと鞄を持ち、入り口に駆け寄り、

「お先に失礼します」

 と言って帰ろうと扉に向き直ろうとした瞬間、トップの巫女さんの鋭い声が飛びました。

「Cさん、Lさんにお礼とお詫びは言いました? 用意が間に合わなくて手伝ってもらったんですよね!?」

 私の真横にいた同期のAさんと共に、まるで自分が叱責されたかのように動きを止めた。室内の空気が一気に張り詰めたものとなる。先輩達全員の視線はまっすぐにCさんを貫いていた。

「あ………」

 意味のない声を漏らし、慌ててCさんはLさんにお礼とお詫びを言うが、それに答えるLさんの声は冷たかった。

「私、何日も前から準備は大丈夫か、ちゃんと確認してるのか聞きましたよね? 大丈夫って言ってましたけど全然出来てないじゃないですか。課長が小皿を取りに行ったりとかありえないですよね?」

 Cさんはペコペコと謝り、室内に沈黙が訪れる。
 で、私の横で着替え終わったものの出るに出られないAさんが、チラリと私に視線を寄越した。
 うん、分かるよ。急いで着替えて、私も視線でサインを送る。一人じゃ出られないけど、二人でなら………!!
 そそくさと扉に近寄り、

『お先に失礼します!』

 と、声をハモらせて大急ぎで外へと逃げ出す。幸いにも私達には特に叱責はなかったのだが、その私達に便乗しようとC先輩が後に続こうと試みた。

「ちょっと! 話はまだ終ってませんよ!!!」

 先輩の怒声が響き、C先輩は脱出に失敗した。ゆっくりと閉じる扉の向こうに、先輩達の姿も声も消えていった。で、後ろも振り向かず全力疾走で玄関へと駆ける私とAさん。社務所ですれ違う神主さんへの挨拶もそこそこに逃げていった。

 神社の外へと出て、周囲に人がいないのを確認してからやっと私達は口を開いた。

「今のは何だったんだろ………、C先輩大丈夫かなあ」

「大丈夫なわけないよね。説教というより公開処刑とか魔女裁判みたいな感じだったし」

「うん、リンチみたいに多勢に無勢だったもんね。私達じゃどうにも出来ないし」

「ま、先輩達だって疲れているだろうし、1時間もすれば終るでしょ!」


 そんな考えは甘かった。翌日に当直だった神主さんによると、

「22時頃にさー、社務所の見回りしたら更衣室前の廊下の電気がまだ点いててさ、しかも人の声がするんだよ。誰か残ってるのか?ってノックしたらさ、1年目以外の巫女が全員いたんだよ! で、Cに説教だかなんだかしてた。もう遅いから帰れって行ったんだけど、マジびびった」

 その話を聞いて、1年目コンビが震え上がったのは言うまでもありません。1対6くらいで長々と4時間もかけてどんな恐ろしい行為が行われていたのか、想像するだけで背筋が凍ります。

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